2012年2月10日金曜日

お釈迦様の最後の言葉

vayadhammā saṅkhārā appamādena sampādethā
ヴェアダンマー       サンカーラ     アッパマーデーナ    サンパーデータ
諸々の現象は作られた物、アッパマーダ(≒不放逸)に努めなさい。

諸々の現象(vayadhammā)は、 作られた物(saṅkhārā)、
アッパマーダ≒不放逸(appamādena)に、努めなさい(sampādethā)。

諸々の現象は作られた物 = 衰滅法 = 真理-衰え滅びる性質 = 諸行無常(sabbe saṅkhārā aniccā) = 仏教
アッパマーダ(≒不放逸、今の瞬間に気づいている状態(覚醒している状態)を維持する) = 仏道

この一行で、仏教と仏道を表しております。
仏教=諸行無常(vayadhammā saṅkhārā)
仏道=appamādaに努める(appamādena sampādethā)

・vayadhammā:衰滅法
 vaya :   ① 衰退、滅亡、消滅、衰滅
            ② 年代(青年、壮年、老年などの)、青春
 dhammā : ① 法、教法、教え、真理、正義、義務
           ② 法に従う、教えに従う

・saṅkhārā: ① 行為、形成力、現象

・appamādena :
   appamāda : ≒不放逸、覚醒、意識がはっきりしている
   √mad : 酔う、混乱、狂う
   pa+māda :  酔う状態、狂った状態
   a(否定の意味)+(p)+ pamāda : 覚醒とか意識がはっきりしている

・sampādethā : sampādeti : 得る、完遂する、完成させる、努める

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''handa dāni, bhikkhave, āmantayāmi vo, vayadhammā saṅkhārā appamādena sampādethā''ti. Ayaṃ tathāgatassa pacchimā vācā.
大パリニッパーナ経「ブッダ最後の旅」中村元訳 P158
さあ、修行僧たちよ。お前たちに告げよう、 
「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい」
と、これが修行を続けて来た者の最後の言葉であった。

*-* appamādaについて *-*-*-*-*-*-*-*
pamâdaは、心が酔い痴れている状態。です。
即ち、心が揺れている。状態を表しています。
それを否定する、aが付き、appamādaになります。

ですので、appamādaは、心が揺れていない状態です。
心が揺れない状態とは、心が感情で揺れた瞬間に、その揺れ(感情)を捨てる事です。
心の揺れを捨てた瞬間、その一瞬だけ苦の滅尽を経験します。

心の揺れを捨てる方法は、
呼吸の安定を保ち観察をし、理性の土台を整え、
(=出入息念経:アーナーパーナ サティ)

瞬間、瞬間、心と体を観察し(satli)、
心が揺れた(酔い痴れた)瞬間に揺れを捨てて(捨-upekkhā)
(=六根の冥想:インドゥリヤ バーワナー スッタ)

心の波を立てずに冷静に有りの儘を観察する。

そして、この呼吸が終わるまでに死ぬかもしれない。
と観察する。

瞬間瞬間、心の揺れを捨て続ける事は、瞬間瞬間の苦の滅尽を続ける事です。

これが、appamādaだと思います。

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appamādaは、象の足跡にあらゆる動物の足跡が入ってしまう様に。
三蔵経がappamādaの中に入り、
仏道そのものを一言で表している。
と思います。

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appamādaを一言で、不放逸とか、その他、色々な訳がありますが、
(1)ブッダの言葉の本意と、一般で使用されている言葉の意味や本意は、相当違うと感じています。

(2)また、2600年という時の流れがあり、今とでは、かなりギャップが生じている。
とも思います。
2600年前の日本は、弥生時代に入るか入らないかという時期です。
私達は、弥生時代の人の話を完全に理解できますか。

ですから、一言で日本語に置き換える事は、無理だと思います。
不放逸という意味も含まれては、いますが・・・

仏教を実践して、発見していく中で、
appamādaの意味が、理解できると思います。

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私が、現時点で、理解している内容です。
正しいかどうかは、解りません。

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